Perrier / Vittel / San Perregrino & Panna
art direction & design: naoshi toyonaga
illust (perrier): kuniyoshi kaneko
関係者限定配布・ハードカバー仕様オフィシャル・ブック(非売品)。
クライアントは株式会社ペリエ・ジャポン様(納品後に解散、ネスレ日本様へ吸収)。
各ナチュラル・ミネラル・ウォーターの歴史・採水地情報をはじめ、EUにおけるナチュラル・ミネラル・ウォーターの定義や、愛飲している著名人や識者へのインタビューなどを収録。
本文テキストを担当された映画監督・グルメ漫画原作者の早川光さんと全体のページ構成を練り、アートディレクションの他、基本フォーマット、イレギュラーページのデザインを担当。データの流し込みなどレイアウトは、当時所属していた事業所のデザイナーが担当。
『ペリエ』からプロジェクトはスタート。当初、グラフィカルなデザインを目指したものの担当デザイナーと息が合わず、中途半端なデザインのまま初回提案へ。当然、クライアント様がお気に召すはずもなく、挙句、
「所詮、日本のデザイナーさんなんて、ペリエはお召し上がりにならないのでしょ?」
“理解できるワケないわ”と言わんばかりのオカンムリ。平身低頭、なんとか二度目のチャレンジのお許しを得ました。確かに、『たかが水』ではありません。『ペリエ』を愛し育んできた文化が存在するのです。330ml瓶でも結構なお値段。とはいえ1~2本飲んだことがあるくらいでは理解したとは言えますまい? そこで帰社途中にさっそく購入。その日から朝・昼・晩と1日最低3本、自腹を切って飲み続け、これを日課としたのです。時々、同じ炭酸系ナチュラル・ミネラル・ウォーターの『サン・ペレグリノ』『ティナント』などと飲み比べていくうち、不思議なものでその違いが分かるようになってきました。『ペリエ』独特の、その存在を主張しながらも角が取れたような気泡、舌触りの丸みとその豊かさ。この魅力に気付くと同時に、クライアント様は何をお望みかが理解できたようです。再提出プランではお褒めの言葉も賜りました。次に予定されていた『ヴィッテル』『サン・ペレグリノ&パンナ』も引き続き受注・制作が決まり、それぞれ無事納品が終わりました。
ちょっと本筋から外れるエピソードを一つ。
ペリエ・ジャポン様の仕事が順調に進む一方、『水』への関心は止まりません。今度は、『ペリエ』を飲む際のグラスは何が相応しいか? 唇に触れるグラスの厚みはどれくらいがより『ペリエ』が引き立つだろうか? と、休日はマイ・ペリエ・グラス探しに興じるようになりました。(最終的にフルート・タイプのグラスだけで10種類以上集まります) 納品した後も関心は続き、ついには炭酸系ナチュラル・ミネラル・ウォーターのみならず、『ヴィッテル』『パンナ』『ヴォルヴィック』『エヴィアン』『コントレックス』の“利き酒”ならぬ“利き水”ができるようにまでなっておりました。
“これは?!”というモノに対して、少々度を越した凝り性のようです。
Life with Contrex
art direction & design: naoshi toyonaga
text: hikari hayakawa
headline: kazuhito yasutani
photo: noriyuki hashida (studio rif)
illust: miyuki morimoto
design: studio zap
新しい事業所へ移籍する狭間にご指名いただいたパンフレット制作案件。
私を推薦していただき、本文テキストを担当されたのは上記と同じく早川光氏。
ページ構成・イラストレーター森本美由紀氏起用・撮影ディレクションを含むアートディレクション全般を担当。何気なく口にしたタイトル案「Life with Contrex」もそのまま採用に。早川さんと共にコンテンツ及びデザイン提案。承認を得た後、当時個人所有していたMacがページものをこなすにはあまりに非力だったため、カメラマンに紹介していただいた篠原氏主宰のスタジオ・ザップに入稿データ作成と一部デザインを依頼。各ページの大見出しはコピーライターの安谷一人氏。
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